こんにちは。先日発売された、GAOMON液晶ペンタブPD1560がついに届いたので、軽く使用してみてレビューしたいと思います!
なお、液晶ペンタブレットはこれが初めてで、今まではWacomのintousを使用していました。
https://www.gaomon.net/Pen_Display/PD1560.html
目次
仕様
- 画面サイズ:15.6インチ
- 画面解像度: 1920 x 1080(16:9)
- 液晶タイプ: IPS
- 寸法: 452.4 x 252 x 19.5mm
- 作業範囲: 344.16 × 193.59mm
- 明度: 250 cd/m2
- 応答速度 : 25 ms
- 視野角: 89°/89°(水平) 89°/89°(垂直)(Typ.)(CR>10)
- 色域: 72%(NTSC)
- 解像度: 5080 LPI
- 圧力感度: 8192レベル
- 可読高度:10mm
- 報告率: 233 PPS
となっているようです(Amazonより)。といっても、何が何だかわからないので、分かりやすくWacomの Cintiq 13HDと比較してみましょう。(名称や書いてあるものが違うので、比較できる部分のみ比較します。)
Wacom Cintiq 13 HDとの比較
GAOMON PD1560 | WACOM Cintiq 13 HD | |
画面サイズ | 15.6インチ | 13.3インチ |
液晶タイプ | IPS | IPS |
作業範囲 | 344.16 × 193.59mm | 293.8 x 165.2mm |
明度 | 250 cd/m2 | 250 cd/m2 |
応答速度 | 25ms | 25ms |
視野角 | 水平178°/垂直178° | 水平178°/垂直178° |
色域 | 72%(NTSC) | 75%(Adobe RGB) |
解像度 | 0.0005mm | 0.005mm |
筆圧検知 | 8192レベル | 2048レベル |
ペンタイプ | 充電式 | 電池無し |
傾き検知 | 無し | 40° |
価格 | 37,999 | 76,739 |
傾きの有無や、ペンが充電式ということ以外は、Cintiq 13 HDと同等どころか所々上回る性能を持っています。しかも、価格はほぼ半額で……。まさに、(数値上では)コストパフォーマンス最強といえるでしょう。
ところで、GAOMONってどこのメーカー?
ペンタブレット=Wacom といっても過言でないこのご時世に、GAOMONという名のメーカーを知ってる人はほとんどいないことでしょう。実際、私もPD1560を買うまでは全く知らない会社でした。
GAOMONは中国の会社です
GAOMONは、中国の企業で、現地市場ではそれなりの知名度があるようです。2016年の9月から国際市場へと乗りだし、今に至るようです。
実は、PD1560は国際市場に投入する初めての液晶ペンタブレットということで、少々不安がありましたが大丈夫でした。(詳細は下で。)
また、購入日が10月末で、発送予定が11月中旬以降となっていたのですが、メールにて「少しだけでも早くできませんか?」と送ってみたところ、「わかったよ!さっき発送したから5日以内に届くと思うよ!:D」というメールが返ってきて、実際に5日以内に届きました。このフットワークの軽さは凄まじいモノがあります。GAOMONファンになりました。なお、日本語でのサポートがあるので安心です(少し文法がおかしかったりしますが、意味が分からないことはありません。)。
GAOMON全商品に1年保証付き!
Amazonには記載はありませんが、問い合わせをしてみたところ、人為的な故障を除き、GAOMONの全商品には1年間の保証が付いているとの回答をいただきました。安心ですね。
もし、何かあった場合はサポートに問い合わせを行ってください。
http://www.gaomon.net/after-sales/
開封とセッテイング、そしてレビュー
Amazonで購入しましたが、中国からの発送となります。こんな感じの、黄色いテープでがっちりとした外観ですね。
ちなみに、発送から大体5日以内で届くとのことで、僕の場合も特に問題なく5日以内の到着となりました。(土日は動かないようです。)
*開封と同時に、各付属品のレビューをしていきます。
黄色いテープを剥がし、箱を開けると中からもう一段階の箱が出てきます。個人的には、GAOMONのロゴのデザインが好きです。
箱をパカッと開けると、取扱説明書類とスタンドが出てきます。
スタンド
出っ張りを引っ張ることで、数段階で固定ができます。スタンドを付けた状態では完全な水平にはなりませんが、スタンドを付けずに直で置けば水平にもできます。
内側から見ると、簡素な造りに見えますが結構しっかりしています。
取扱説明書類
ペンタブレットを動作させるための、ドライバーのダウンロードURLと製品のセットアップ方法が日本語で書かれています。また、保証書も取扱説明書内に付いています。
ダウンロードは以下URLから行えます。
http://www.gaomon.net/download/
なお、Wacomなどの他社製ペンタブレットを使用してる(使用していた)方は、他社製ドライバーのアンインストールが必要です。共存はできないとのことです(試してないので分かりませんが、不具合がでる可能性が高いです。)。
ケース
スタンドの下には、長方形の箱と持ち運び用のケースが出てきます。
そう、PD1560は15.6インチと大きすぎず小さすぎないほどよい大きさなので旅行先などの外出先でササッと使うといった用途にも使ってくださいね! ということです。
もし、すでに液晶ペンタブレットや他の”メイン機”を持っている場合は、安めの外出先用液晶ペンタブ としてもオススメできます。安いですし。
(もちろん、メイン機としても十分に活躍してくれますが。)
長方形の箱
長方形の箱の中には、ペン、ペン立て、ケーブル類、組み立て用のネジとドライバー、2本指グローブとおまけの1本指グローブが入っています。
ACアダプターは日本仕様の変換器が取り付けられた状態になっていますし、ケーブルもHDMIとUSB(TypeA←一般的なやつ)での接続となるので、追加で買う必要性は特に無いです。
PCから離れた場所へ設置したいという場合や、デュアルディスプレイにしたいという場合は、追加費用がかかるかも知れません。(延長ケーブル/グラフィックボード等)
ちなみに、タブレットに挿す方のUSBはTypeCで、“いまどき”と言える仕様となっています(後日、完全Type-Cに移行するときが来るかも知れません)。
ペン
です。USBで接続して充電をしておく必要があります。どのくらい充電すればフルまで行くのかわかりませんが、今のところ1時間くらい充電してから5、6時間くらい使っています。
HUIONなど、同じ”中国製ペンタブレット特有”といわれているペン先の沈みが、GAOMONでも見受けられます。ただ、私自身初めての液晶ペンタブレットなのでそこまで気になりません。むしろ、適度に沈み込むことで筆圧の調整がやりやすいような気までしてきます。
一言で言えば、慣れれば何も問題ない ということです。
また、ペン横には2つのショートカットが用意されています。”Ctrl+Z” などを設定するとやりやすいですね。ただし、ショートカットには弱点もありました……。(弱点詳細)
ペン先
後日、ペンとペン先は個別販売も行う予定となっています。今のところは標準芯のみですが、おそらくはある程度のバリエーションも用意されていくのではないか? と勝手に期待しています。
本体
最後に本体が入っています。かなりしっかりとした造りで、期待以上でした。
ちなみに、ディスプレイ部分には最初から保護フィルムが貼り付けた状態で出荷されているようなので、別途用意して貼り付ける必要はありません。
もちろん、外すことも簡単にできます。
サイドには、10個のショートカットキーが用意されており、ドライバーから設定を変えることができます。ペン横の2つのショートカットキーと合わせて、計12個のショートカットキーが用意されていることになります。
PCに接続! そして簡単にお絵かき
PCに接続して、実際に絵を描いてみようと思います。視差うんぬんとかを細かくチェックしていくのも良いのですが、正直な話 「そんな細かくチェックしてまでプロ仕様かどうかとか考えるなら、黙ってWacomの最新版買ってください。」と言いたくなってしまうので割愛させていただきます。というか、持っていないので比較ができません……。
*CLIP STUDIO PROを使用していますが、同梱されておりません。別途購入するか体験版を利用しましょう。
軽く描いてみたよ
(絵のクオリティ……。)
10分くらいで適当に描いてみましたが、かなり良い感じです。最初、ペン先のズレが少しありましたが、キャリブレーションを行った後はほとんど気になりません。”画面端に行くと少しずれることもあるかな?”という程度です。(画面端でもそんなに差がありませんが。)
というよりも、私が絵を描くときはカーソルの位置を見て書いているので、ペン先からずれてる~! とか考えてませんでした。
私が求めていたのは、趣味として絵を描くときに”普通に”描けるかどうかです。ペン先のズレや浮かした状態でのトラッキングの精度も全く問題ないと言って良いと思います。
ただし、一部気になる点もあったので以下に弱点を書いていこうと思います。
ここが弱点だよ! PD1560!
さて、ここまでかなり褒めた事しか書いていませんでしたが、数点気になる部分がありました。それは……。
ペン横のボタンを押しながら、使えない!
私は、Intuosを使っていたときは、ペン横のショートカットに”押してる間、手のひらツール”と”1つ戻る”を設定していて、ボタンを押しながら線を引くことでキャンバスを移動させていました。
しかし、どうやらボタンを押しながらだとペンがうまく使えないようなのです。何度か他の設定も試してみましたがうまくいきません。ただ、ディスプレイ側のショートカットに”押してる間、手のひらツール”を設定して、やってみるとうまくいきました。なので、今は”新しい描き方”に慣らしているところです。
傾きがないから、ペン先がズレる!
“ペン先のズレは気にならない”と書きましたが、それはそもそもカーソルを見て描いているからというのもあります。“ペン先の感覚”で描いている人だと、ズレが少し気になるかも知れません。特に、傾けながら描いている時は少しズレてるのがわかります。
完全にずれるまで傾けると、そもそもディスプレイにペン先が当たらないので描けないのですが、傾きに弱いということを覚えておいた方が良いかも知れません。
保護フィルムがあることで、1枚向こう側に描いている感がすごいする
これに関しては、仕方が無いことだと思います。非光沢のフィルムが貼られており、結構厚いので、このままだと1枚向こう側に描いてる感じがします。ただし、慣れればなんてことはないです。というか、気になるなら剥がして使えば良いですからね。
といったところが気になった部分でしょうか。
まだ、1日くらいしか使っていないので他にも気になる部分が出てくるかも知れませんが、全体的には満足しています。Amazonでレビューするとしたら★5ですね。
総評
コストパフォーマンス最強の液晶ペンタブレットだと思います。
15.6型というほどよい大きさ、そして40,000円以下でこのクオリティ……。Wacomも警戒した方が良いのでは? 私は間違いなく、液晶ペンタブレットで迷ってるのならばGAOMONのPD1560を強くオススメします。
安かろう悪かろう と言われることもありますし、”中国製”と言われるだけで「本当に大丈夫だろうか?」と不安になるのも分かりますが、私個人としては「そんなこと言ってるばかりだと、中国に置いて行かれるよ」といった感想です。まずは、ご自分で手に取ってみて悪かったなら悪かったで、直接問い合わせ、返品したければ返品すれば良いと思います。もちろん、身勝手な返品ではなく正当性が認められる内容であれば、GAOMONも答えてくれるはずです。
追記
https://creator.levtech.jp/tips/article/104/
レバテッククリエーター様にて、この記事が紹介されました。
ペンタブレットに関するレビューをまとめている記事ですので、もし他のペンタブも検討している場合は、覗いてみるのも良いかも知れません。